No.0707:子どもはセメント
「ミステリと言う勿れ」
- 原 作 田村由美
- 脚 本 相沢友子
- 出版社 小学館ジュニア文庫
まずは、今回も「日本人の知らない日本語」がらみで某証券会社のH・A元社長からいただいたコメントです。 |
---|
「私の出身地岐阜でも 質屋は普通「ひちや」と発音します。 七五三は「ひちごさん」で「しちごさん」とは発音しません。 東京下町の人は「ひ」が発音しづらく「し」と言います。 私の従兄弟も下町育ちで私の名前、広久を「しろしさ」と言っていました。 (もう亡くなりましたが)多分英語の「He」も「シー」と発音したのじゃないかと思います。 「ひ」と「し」の違いでこれだけ話せるのは、日本語とは面白いものですね。」 ⇒日本語の話は尽きないですね。 |
さて、今週の「でんごんばん」は、先月観た映画「ミステリーと言う勿かれ」そして最近観た「ゴジラ―1.0」からです。 |
---|
●さて、今週の「でんごんばん」は、先月観た映画「ミステリーと言う勿かれ」 そして最近観た「ゴジラ―1.0」からです。 ●「ミステリと言う勿れ」原作田村由美。脚本相沢友子。小学館ジュニア文庫。 時海結似(ときうみゆい)小説家。長野県生まれ。「映画刀剣乱舞」 「糸 映画ノベライズ版」「小説 金の国水の国」「小説 青のオーケストラ」 シリーズなど児童書著書多数。小説家の前は遺跡発掘の仕事をしていた。 ●NO707。NO708ともに、主人公の久能(くのう)整(ととのう)独特のひとり言セリフからです。 本人は、ただ思ったことをしゃべっているだけなのに謎が、人の心が、ときほぐれていく・・。 そんな天然パーマでカレーが大好きな大学生久能整が、広島で遺産相続殺人事件に遭遇!? 「それぞれの蔵において、あるべきものをあるべきところへ 過不足なくせよ」 そんな謎めいた遺言を残して亡くなった当主。この家の遺産相続は、 代々死人がでているという。はたして、遺産相続に隠された、一族の「闇と秘密」とは? ●原作は漫画。ご紹介の本は「ジュニア文庫」ですが、大人の小生でも楽しる映画でした。 なになに、身体は大人でも頭は小学生並み・・・・・・かも知れませんが。(笑) 興味の沸いた方は、映画館へ足をお運びください。 |
●「ミステリと言う勿れ」(小学館)は累計発行部数1600万部突破の人気漫画。
大学生の久能(くのう)整(ととのう)が卓越した洞察力で事件を解決していくストーリー。
謎解きもさることながら、整が語るセリフの数々が読む人の胸を打つと好評だ。
また古典の名言も登場し、ローマ帝国、マルクス・アウレリウス(121~180年)の
『自省録』(岩波文庫)は漫画をキッカケに話題となり十万部も増刷している。
●漫画作者の田村由美氏曰く「『自省録』と私の作品が書店に並んでおかれ
ていることにびっくりしていますし、ちょっと冷や汗が背中に伝うというか
ドキドキしています。・・・二千年ちかく前の人の考えが今の自分たちに
ストレートでダイレクトに入ってくることに心が震えました。
この作品は、整がただただひたすらしゃべりまくる漫画で、台詞が異様に多い。読者の方に受け入れられるか不安でしたが、とても好評だったそうです。
編集者さんたちの「なんですか!これ!?」という感想が嬉しかったですね。
読みきりだからと気軽な気持ちで描いたものが、たくさんの応援をいただいて
こうして連載になったのは不思議な気がします。
●テレビのクランクイン前、主人公の久能整を演じる菅田将暉さんが、整の
ことを理解するために作者であるわたしに会いたいとおっしゃられて
お目にかかりました。まずわたしを理解しようとしてくださったんですよ。
菅田さんは、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で源義経を演じて、大絶賛され
ました。鮮やかで眩しく、惚れ惚れするような義経でした。そこで生きている
と思わせてくれるんです。そんな方に演じていただけたことは、私の作品に
とって、整にとって、心底幸運なことだったと、ただただ感謝しています。
●「僕はつねづね思っているんですが・・・・どうして、いじめられてる方が
逃げなきゃならないんでしょう」マンガの第二巻ではバスジャックに
巻き込まれた整はそう切り出し、いじめについての疑問を投げかける
「欧米の一部では、いじめてる方を病んでいると判断するそうです。
いじめなきゃいられないほど病んでいる。だから隔離して、カウンセリングを
受けさせて、癒すべきと考える。日本は逆です。いじめられている子をなんとか
ケアしよう、カウンセリングを受けさせよう、逃げる場を与えよう。
DVもそうだけど、どうして被害者側に逃げさせるんだろう。病んでたり
迷惑だったり、恥ずかしくて問題があるのは、いじめている方なのに」
(以上2022年7月文藝春秋より)
⇒これは小生も同感です。 |
~今回の公演映画から~
●(大人・次男)新音(ねお)が、ゆらの一人娘の子ども幸(さち)に蔵の中身を教えて
もらおうと、キャラメルの箱を出して聞こうとしたときの場面。
「蔵の中に何があったか、教えてくれん?お母さんには内緒で、ほれ。お菓子あげるけえ」
すると、ふいに幸の横にだれかがじゃがんで、きっぱりと言った。
「こういうことをやっちゃダメです」
「うおっ!?なんじゃ!?」
もじゃもじゃ頭・・・・整(ととのう)だ。
新音が顔をあげて見ると、その後ろに汐路も立っている。
「幸ちゃん、行っていいよ」
整がうながすと、「うん」とうなずいて、幸が小走りに行ってしまう。
「あ!幸ちゃん!」
呼びとめようとする新音に整がむきなおって、一方的にしゃべりだした。
「子どもって、乾(かわ)く前のセメントみたいなもんですって」
「は?」
「落としたものの形が、そのまま跡になって残るんですよ。
だから子どもをスパイにしちゃダメです。一生悔やむことになる。
自分がうっかり話してしまったことを。
親の足をひっぱってしまったことを、一生悔やむんです」
汐(しお)路(じ)が黙って聞いているので、新音(ねお)はあせって言い返した。
「いや、そりゃわからんじゃろうが!あがな子どもじゃけえ」
整はたんたんと続けた。
「子どもはバカじゃないです。自分が子どものころ、バカでしたか?」
新音はことばにつまった。反論できない・・・・。
⇒子どもの前で話されたことは、覚えられていると考えた方がいい。 |
「でんごんばん」こぼれ話・整君のひとり言。 |
---|
●「ドラマとかでもそうです。 証拠を出してみろとか言うのは、たいてい犯人です。 無実の人はそんなことは言わないと、僕はつねづね思っています。 ⇒主人公の久能整君のひとり言が、実に楽しい。 ●NO709は映画「ゴジラ―1.0」から。この映画は年末年始にかけて大ヒットの予感がします。 過去のゴジラ映画最高興行成績「シン・ゴジラ」の82.5億を塗り替え、100億超えもありえると 岡田斗司夫氏(1958年生れ。日本のプロデユーサー、評論家、文筆家、(株)オタキング 代表取締役)が分かり易く解説しています。それをまとめてみました。 ●次週の「でんごんばん」は、今年開園40周年を迎えますます人気の高いディズニー・ランド。 岡田斗司夫氏のウォルト・ディズニーについての秘話。お楽しみに! |
コメントを送信