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No.0709:『ゴジラ―1.0』

No.0709:『ゴジラ―1.0』

2024年はゴジラ誕生70周年記念。またゴジラシリーズ30作目のダブルアニバーサリー映画

  • 山崎貴(たかし)監督
  • 1964年生れ
  • 長野県出身
  • 「ALWAYS 三丁目の夕日」(05年)では心温まる人情や活気、空気感を持つ昭和の街並みをVFXで表現し話題になり第29回日本アカデミー賞最優秀監督・脚本賞など計12部門で最優秀賞を受賞。
  • 2013年の「永遠の0」は、2014年年間邦画興行収入NO1(87.6億)のメガヒットになった。
  • その他「STAND BY ME ドラえもん」(14年・20年)「アルキメデスの大戦」(19年)「ゴーストブック おばけずかん」(22年)等。CGによる高度なビジュアルを駆使した映像表現・VFXの第一人者

初代ゴジラが1954年(昭和29年)11月3日に公開されたので、
「11月3日」はゴジラの日。その日に全国522館で公開された。

2016年に82億5000万円の興行成績をあげた「シン・ゴジラ」
(樋口真嗣監督)以来7年ぶりの国産ゴジラである。
公開3日間で興行収益10億超は2016年の「シン・ゴジラ」を超えている。

(岡田氏)ドラマ映画部分と怪獣映画部分が両立している。
ドラマ部分の主人公役は神木隆之介と浜辺美波。この二人は今年の
NHK朝ドラ「らんまん」で夫婦役を演じ、今や国民的に知名度の高い役者。
映画としても日本映画の王道で映画を作っており
この二人の人間ドラマが、昭和のドラマのようで臭くていい!
⇒小生もゴジラで感動できるとは思わなかった。(笑)

映画ドットコムの評価を見てみると
海外版のハリウッドの2014年7月「ゴジラ」は「3.4」。 
2019年5月「ゴジラ・キング・オブ・モンスターズ」⇒「3.6」
2021年7月「ゴジラVSコング」⇒「3.5」。
2016年の「シン・ゴジラ」⇒「3.7」のなか「ゴジラ―1.0」は「4.0」の評価。
本家の昭和29年の「ゴジラ」は「4.3」。これはレジェンド的評価で別格。
位置づけとして、ゴジラ映画では最高となっている。

●山崎監督は、インタビューで
――以前から制作オファーがあったそうですが、今回ようやく引き受ける
決断をされたのは、ナゼですか?

(山崎)僕は元々ゴジラの大ファンだし、もちろん制作に興味がありました。
でも、「ALWAYS続・三丁目の夕日」(2007年)という作品でゴジラに
ゲスト出演してもらった際に、CG作業があまりに大変だったんです。(笑)
たった2分の登場シーンに、スタッフの半分が6カ月もかかりきりになってしまった。当時のマシンや技術力ではそれが限界で、「こんな状態で本編を
やるなんて、とても無理だな」と、思い描いているクオリティに仕上げるのは
まだまだ時期尚早だと思っていました。

しかし、デジタル技術が上がったのでできるようになりました。

デジタルでやるメリットとして、今作はゴジラとの距離が史上最も
近い作品になっています。大きなスクリーンなら、実物大のゴジラと対峙したかの
ような錯覚を味わえます。
デジタルだからこそ、ディテールが無限に再現でき、
いくらでも近くに寄っていけるからです。初のデジタルであることを有利に
利用しています。その分マシンは大変ですが。

(岡田)「シン・ゴジラ」の庵野秀明監督と山崎監督とのユーチューブ対談。
庵野監督は上から目線になっている。たぶん自分の「シン・ゴジラ」の
82.5億の興行成績は抜けないだろうと思っているのだろう。

⇒岡田斗司夫氏は、「-1.0」の方が上をいき、初の100億超えになると予想している。岡田氏曰く「興行収入というのは、プロデュース側が調整できるものでもある。正月映画にしないで、11月3日に公開している。
これは、大ヒットしてロングランになると思っているから」。果たして・・・・。

(岡田)家族で見れるゴジラ映画。子供だましだけでなく、大人だましもはいっている。ディズニ―ランドが楽しめるのは、子供だましだけでなくちゃんと大人だましも入っているから。今回のゴジラは15分ごとに見せ場があり、子どもも退屈しない。家族で観れる映画になっている。

この点は、ジェラシックパークなども気をつけている点ですが血が出てこない。嫌な死体が一切出てこない。
襲われたシーンも、倒れた死体のシーンには布がかかっている。
視聴のレ―テイング(映画鑑賞の年齢による鑑賞制限のこと)が極めて安心。
北米での公開規模が邦画では空前の1500スクリーン。
海外でヒットできる構造にもなっている。

⇒映画には、4つの視聴レーティングがある。
「G」・誰でも視聴できる。「PG12」・12歳以上・視聴の際は保護者の適切な指導が必要。「R+15」・15歳以上。「R+18」・18歳以上。
今回のゴジラは「G」評価になると思う。

(岡田)ダサイ(庵野監督64歳)対クサイ(山崎監督59歳)
庵野監督はダサイと言われている。
作品内にすぐに奇跡が起きる。だが、これがいいという人がいる。
庵野監督は、「シン・ゴジラ」「シン・ウルトラマン」「シン・仮面ライダー」
と、シン・シリーズで今の映画界を活況づけてきた。

山崎監督は、クサイ台詞を全部言ったりする。
「戦争を知らないのは幸せなことなんだ」とか
特攻隊の生き残りである主人公が「自分の中で戦争は終わっていない」等
クサイ台詞、演技があるが、そこがいいという人も多い。

●山崎監督は、戦時中に武器を開発していた技術屋の野田健治役
(俳優・吉岡秀隆。「Drコト―診療所」等)には、ゴジラが放射線を吐く場面で
吉岡曰く「僕は最初、驚く顔をしていましたが、
監督に『野田にはちょっと笑ってほしい』と言われて・・・彼の場合は科学者として
今まで見たこともないものを見たという喜びが、そこにあるんじゃないかと。

ただ驚くのではなく、どこか冷静に状況を見ているからこそ、ゴジラが
放射線を続けて吐けないに気づくと思うんです」と。
学者としての一面を伝える演技を要求している。

⇒ゴジラ第1作に博士役で出演していた志村喬(黒澤明監督「生きる」の主演男優)は、吉岡秀隆が出演していた「男はつらいよ」で演じた満男の祖父役でもあったので、吉岡はこの博士役に縁を感じたと言っている。

⇒小生はゴジラの大ファンというわけでもありませんが20年以上前、小生の携帯の待ち受け音楽を「ゴジラ」に攻撃準備をする自衛隊の映像時に流れる音楽にしていたときがある。 
 
あの勇ましい音楽が今回の映画では、ふんだんに流れます。

それだけでも、観て楽しめたかなと思いました。(笑)

興味を持たれた方は、是非劇場へ! 

(一話で完結しているが、続編も可能になっている。)

⇒ユーチューブでは、シネマ評論家有村昆氏のゴジラ評もお勧めです。

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