No.0711:ランド研究
「ウォルト・ディズニー―創造と冒険の生涯」
- ボブ・トマス著
- 解説・岡田斗司夫ゼミ
- 岡田斗司夫氏
- 1958年生れ
- 日本のプロデユーサー評論家
- 文筆家
- (株)オタキング代表取締役。)
- 岡田斗司夫氏
ランドの面積と動線について
ウォルト・ディズニ―はランド研究所を作った。
アメリカの大統領がアメリカの政策を依頼したり
原子爆弾を開発するかどうかを研究するような巨大研究所。
どうすれば、もう一回来たいという顧客満足度が最大値化されるのか。
どういうふうにやれば、収益性が高くなるのかを研究している。
世界中の遊園地を調べた。安っぽい遊園地だと2時間ぐらいだが
居心地のいい遊園地だと、平均して5.5時間ぐらい滞在する。
カリフォルニアのディズニ―は、人間が素早く、無駄なく動いて
園内を見れる程度の面積にしている。
●日本人はすばしこく動くので、東京ディズニーランドは本家よりやや広い。
また、東京観光で来るので一泊二日ぐらいできたときに、8割くらい回れる。
お城があるが、入り口から全部が真っすぐに行けない、曲がっている。
まっすぐ歩くと、3,4時間で見れる面積だが
この見通しを悪くすることで、広く見せている。
基本的に、ディズニーは錯覚の使い方が上手い。
お城の手前は窪んでいる。窪んだところからお城を見ると大きく高く見える。
お店は暖色。遠くに見えるお城は寒色系。
お城から見たら街並みは、暖色が見えるようになっている。
建物は、1階が実物の8分の7。2階が3分の2。3階が3分の1。
ディズニーシーで、窓の大きさを見ると、顕著に見れる。
もともと映画のセット屋さんで、設計者ではなかった。
●ジェラシックパークは小説が圧倒的に面白いからスピルバーグが映画にした。
小説に情報を山ほど入れるマイケル・クライトンという作家が書いている
のですが、その中に遊園地がいかに成功するのか、成功の肝を書いている
「いかに自動化させていかにスタッフを減らせるか」と言っている。
●遊園地でアトラクションに並ぶ。そうするとケンカ等がおきる。
そのリスクを減らすために、
① 場内でアルコールは売らない。喧嘩のリスクを抑えるため。
② アトラクションに3時間も並ぶと、スタッフを配置しないといけないが
途中に大きいモニターをおいて、そこで「もうすぐ冒険の旅だ!」とか
映像を流す。今や当たり前になっている。
本当ならスタッフを配置して列を整理するのだが
巨大モニターの投資で防げる。ロボット自動車を走らせる。
初期投資はかかるが人件費は大幅に減らせる。
これをすでに1990年に小説に書いていた。
⇒東京ディズニーランドは、40周年を迎えますます好調のようだ。 ウォルト・デズニ―は言う 「子どもだけに向けて映画を作ってきたわけじゃない。 大人というのは子どもが育ったものにすぎないからね。 いつから人は子どもではなくなってしまうんだ? 大人のなかにある子どもが 消え失せてしまうとどうして言い切れるんだい。」 ウォルトは「子どもと大人の決定的な違いは、経験の差だ。 だからディズニーでは経験となるものを提供しよう ――楽しくてためになる経験、建設的な経験 そんな経験をできるだけ提供するのが、私たちの役目なんだ」と。 ⇒昔は、今のディズニーよりゴミを拾うおじさん(カストーディアル)が多かったらしい。ウォルト・ディズニーは酒は飲まないがタバコはものすごく吸う人だった。 みんな、吸ったタバコを捨て、ゴミが多かったからだという。 しかし、日本人は、ごみ場箱に捨てるので、そんなに人は要らない。 さらに、今は禁煙で吸わない人も多くなっている。 有名な話ですが、清掃の人に「何をしているのですか?」と聞くと「星を拾っています」、「夢を拾っています」と答えてくれますが最近は、からかい半分で聞く人が多くなったので、「ゴミを拾っています」 と答える人も多くなったようです。 |
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